こんにちは、道ちゃんです。
前回の続きです。和気あいあいとした雰囲気の中で始まった報告会で直売センター所長から出た言葉に鳥肌が立つ私でした。
その内容とは「二人とも、本当に一生懸命働いていますね。特にYさんは、面接の時と
ずいぶん変わったね。明るくなったし、声も出るようになった。だから3ヶ月のトライアル期間はあるけれども二人とも来月から本採用にしようと思います。」
それを聞いた人事課長はびっくりして「え、来月から二人採用ですか?」
一番びっくりしたのは私です。「まさか、本当に採用?」思わず感動で熱いものが]胸に込み上げてきました。まるで自分が採用されたようで嬉しくてたまりません。
結局、人事課長の申し入れで、更に1ヶ月トライアル雇用で就労し、3ケ月目に本採用しようということで決着しました。
報告会終了後「Yさん、良かったね」と話しかけると実感がないらしく「ハー」と一言。
事務所に帰り、早速、父親に電話で報告しました。
私:「お父さん、息子さん就職内定しましたよ!」
父親:「まさかウソでしょ? 息子が就職できるわけがないですよ!」
私:「そんなこと言ったって、たった今採用するって言われたのですから、ウソじゃないですよ!本当ですよ」
父親:「だって、びっくりして、私の頭の中は、真っ白ですよ!絶対に無理と思っていま
したから!」
私:「よくわかりますよ。でもお父さん、ご存ないかもしれませんが、息子さんは一生懸命
頑張っていましたよ。その結果ですよ」
父親:「そうですか、本当にありがとうございました。感謝します」
私:「息子さんが帰宅したら、心からほめて上げてくださいね!」
私は、そう頼むと受話器を置きました。
彼のお父さんは、とても厳格な方で息子を滅多にほめたことがありません。むしろ厳しいくらいに叱ってきました。だから彼もお父さんが苦手でした。
いつかきっと父親に認めてもらおうと努力して来たのだと思います。
それが、原動力となり頑張り続けてこられたのだと感じました。
ともあれ、Yさんは、無事に就職し現在も元気に働いています。
訓練所の卒業式の挨拶のなかでYさんは「私はいろいろな人にお世話になりましたが
中でも、両親には心から感謝しています」と結んでおりました。
その時、お父さんの目は涙で濡れていました。
「Yさん、仕事はどうですか?」と聞くとYさんはきまって「はい、きゅうりの袋詰めが
上手くいきません」と笑いながら答えてくれます。
Yさん「がんばれ!負けるな!」と心の中ではげます私でした。
完
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